【第6室】 戦後教育の敗北か?
  朝日新聞の記事によると文科省が実施する全国学力検査の結果、2年連続で低迷する大阪は塾との連携補習やゲームDSを導入するとのことです。このような傾向が大阪だけでなく全国的な傾向でもありますが、どうしても学力低下を懸念した文科省の全国学力検査を意識するあまり、短兵急に表面だけ体裁を繕うのは愚策と考えます。某家庭教師会社の指導や某計算の反復、某ゲーム会社のDS機を取り入れるなど、もはや教育の基本を忘れた暴挙と言えましょう。一時的に生徒の目先を誤魔化したところで、そう簡単に学力が向上するとは考えられません。教育とは何か?学力向上とは何か?を政治家・教育委員会・教師・保護者は冷静に考える必要があります。全国学力検査で良い成果を挙げたいと考えるのは人情でしょうが、ここは抜本的に検討する冷静さが大切です。聞くところによると、学力検査の結果を出したいばかりに、成績下位の生徒に休むことを勧めたり、検査実施中に先生が回答を示唆するなどの問題もあると聞きました。このような公立校への塾の指導を導入したのは、良くご存知の東京都杉並区立和田中学校の「夜スペ」が知られています。これはたぶん、杉並区には都内屈指の上位高校である西高校があることが大きく、西高校に受験させT大を目指したい親の意見など大きく繁栄していると考えられます。「夜スペ」は最早現在の中学教育の敗北の象徴と言うべきでしょう。区の教育委員会も区の中学教師も、某有名受験塾に全面降伏したことを宣言すべきでしょう。公立校はすべて塾の指導にまかせ、教育委員会は解散し教師も退職したらいかがでしょう。憲法に定められた義務教育とは何かを忘れた、教育行政の末路が今の姿ではないでしょうか。同じ記事におもしろい内容がありました。「少人数学級や復習・自習が定着」「小6首位の秋田」と言う小見出しです。興味深い内容なので全文を掲載します。「日本のフィンランド」。全国学力調査で、小6が全科目で2年連続1位だった秋田県は、国際調査で上位のフィンランドになぞらえられる。同県には08年度、大阪府教委を始め、教員や地方議員ら全国64団体が視察に訪れた。全国学力検査が始まった07年に組織された「秋田県検証改善委員会」の委員長、阿倍昇・秋田大教授(教科教育学)は学力向上の理由として、授業態度がよく「学級崩壊」などが少ないことを挙げる。少人数教育の早期導入も大きな要因と見る。同県は01年度、全国に先駆けて小学1、2年の30人学級を実現。翌年度からは中1も対象にした。それ以外の学年には臨時講師を配置し、国語・理科・算数・数学の授業に限って約20人で受けられるようにした。また、小中学校では06年度から「教育専門監」制度を設けた。専門監は教科指導にたけた中堅教員で、今年度は16人が認定された。1人が3、4校を回って各校の教員と一緒に授業を進め、教員の指導力向上も図る。文科省は学力調査時に、児童生徒の生活習慣についても調べている。秋田県では、授業以外で平日1~2時間勉強する小6の割合が全国平均より14,6ポイント高い。平日に午前7時より前に起きる小6も15・3ポイント上回った。生活リズムが整い、復習や自習が定着していると言う。阿倍教授は家庭学習の定着のため学校が保護者向けに勉強会を開くなど、親への働きかけを丁寧にしている影響が大きいと分析する。「ほかの地域で崩れてきた当たり前のことが、秋田ではきちんとできている」と同教授はみる。」まさに、25年前から学塾が提唱し実践してきたことが、秋田県では実績として見事に結実していました。何とも嬉しい話です。安易に塾の指導を公教育に入れるなら、教育委員会も教師も要らないことになります。塾の良いところを摘まみ食いして、学力調査の体面だけ飾っても所詮は砂上の楼閣でしかないのです。秋田県のように地道に、教育の大切さを信じて努力した関係者に、心から敬意を表したいと考えます。教育は一朝一夕でどうにかなるものではありません。学力の低下も長年の教育行政の失敗から起きたのです。今さら慌てても百年に及ぶ教育の大計は定まりません。5年、10年の計画で確実に予算も増やし「子どもは国の宝」と言うなら、社会が生徒を育てると言った、義務教育の原点にもどって考えるべきでしょう。秋田県の事例はそのことを示していませんか?東京都杉並区や大阪府、その他同様の短兵急な学力向上のためには、手段を選ばずのあり方には反対です。そんなことをしなくても生徒はいくらでも伸びるし、自分を大切にしてくれていると信頼も持てるのです。生徒の伸びる力を阻害しているのは、学校の先生・生徒の親・塾の講師が持論です。「あれもやれ、これもやれ、あれはやったか、あれはどうした」まるで羊を追い回す牧場犬のように、生徒の自由や豊かな表現力、環境さえ良ければいつでも伸びようとしている学力を阻害。生徒を信じられない大人は教育の場から去っていただきたいのです。生徒の障害でしかありません。学塾の生徒は平日1時間~2時間の自宅学習、土日は学年相当の時間として1年は1時間、2年は2時間、3年は3時間、6年は6時間の自主自宅学習を奨励し実践しています。
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