【第8室】 東京大学は世界No.1ではない!
 過日の朝日新聞に興味深い記事が掲載されていた。それは英国の教育情報会社「QS」が2009年アジアトップ200大学と言うものです。その内容はアジア1位は香港大学、日本の大学は3位東京大学・5位京都大学・6位大阪大学・9位東京工業大学で、ここまでが10位以内でした。ちなみに以下はこうです。12位名古屋大学・13位東北大学・15位九州大学・19位筑波大学・20位北海道大学・同20位慶応大学と、かろうじて20位に私学の慶応大学が入っています。参考までに以下を記載しますと、23位神戸大学・28位広島大学・37位早稲田大学・41位千葉大学・45位長崎大学・48位首都大学東京と50位以内に16校が入っております。アジア全体でこの数字が多いのか?少ないのか?レベルが高いのか?低いのか?議論のあるところでしょう。1年前の2008年の世界ランキングで見ると19位東京大学だそうです。世界は広いと言いますが、この状況をどう見るかは難しいところでしょう。ほかにも、学費滞納者の増加や中退者の減少など、世相を反映しているのではないかと考えられることも記事には掲載されておりました。文科省は「数字は今後、分析が必要だ」としております。驚いたのは、国内では私学の有名人気校である、慶応大学・早稲田大学がアジアレベルでも予想外に低くかったことです。むろん、理由はわかりません。ただ、おぼろげに感じるのは、国内では慶応・早稲田と言うブランドを重視しているような気がします。この点は日本の学生や保護者の弱点なのかもしれません。日本の教育は断然世界のトップと信じていただけに、この数字はショックでもあり、ひどい落胆に襲われました。仕事柄見過ごすことのできない数字です。この記事の大見出しは「細る資金にあえぐ国立大」「法人化で毎年減(もう限界)」とあります。同新聞社の署名入り記事ですので、編集委員・山上浩二郎氏の全文を引用します。「資金不足に、国立大学があえいでいる。04年の法人化後、国からの日常的な運営費交付金は毎年1%減り、さらに人件費にも5年で5%削減のしばりがかかる。「半世紀前の設備を更新できない」「退職後の教職員の補充も非常勤をあてる」。涙ぐましい節約が続くが、「教育機関として、もう限界にきている」という嘆きが聞こえてる。」とありました。どうしたことか?何が起きているのか?この2009年6月8日の朝日新聞17P教育を納税者の国民に、是非読んでいただきたいと思います。一般・特別合わせて200兆円以上の国家予算を組む、世界第二位の経済大国として、政府は何を考えているのかと申し上げたいのです。この記事には悲惨な国立大の現状が、多数掲載されておりますが、国家100年の大計として教育の劣化は、命取りになりかねません。すでに、上記のアジア・世界の数字は日本の最大の危機を暗示しているのかもしれません。政治家や官僚は卒業してしまえば、知らぬ顔の半平衛」ですか?口を開けば、「財源」「財源」と何かの一つ覚えのように言いながら、800兆円以上の借金を作った張本人は誰ですか?政治家や官僚の劣化はどうにかなりますが、教育の劣化だけは今日明日にどうなるものでないのです。「勤勉な国民」「誠実なお国柄」など、もはや夢物語なのでしょうか?同記事にこのような一文がありました。「法人化後、国立大は予算と評価にがんじがらめになった。そこに問題を感じながらも、大学側からの提言や自己主張は乏しく、社会に窮状が伝わりにくい。大学は次世代の人材を送り出し、卓越した研究業績をあげる使命がある。」と、何とも悲しい響きではありませんか。もう一度国民の英知を集めて、国立大のみならず私学も、また、大学以下の高校・中学・小学校・幼稚園等々の、抜本改革を大胆にかつ迅速に、議論し実施されることを願うものです。少子化の現在、各方面にその影響が出てきました。何はさておいても、「子どもは国の宝」の原則に従い、教育の劣化は防止しなければなりません。教科書の無料化とか、中学までの医療費の無料とか、ケチなことを言わず「子どもは国の宝」なのだから、他の予算を半分にしてでも、義務教育は全額無料、子どもの生活費の2分1は国家の補助、高校教育も全額無料、大学教育の費用は学生の努力と親の収入によって、無料から全額負担まで5段階で国家の補助、運営費交付金の大幅増額、私学に関しては別途に考えるなど、基本計画案を明確にして実施しない限り、じりじりと日本の教育は劣化し、取り返しのつかない惨澹たる状況になると懸念しています。すでにその予兆は、小・中にはっきり出ており、今や塾の応援なしでは学力向上もおぼつかない、異常な状況が日本のあちこちに散見できます。大胆な教育戦略こそこの国を救う唯一の道と考えます。
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